それからの彼ら

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パチパチッと焚き火はいい音をたてている。
その周りを向き合って囲みながらアイクとライは持ってきた保存食に食らいついていた。
色気のない男二人の旅風景、
だがライの心はアイクが来てくれた事にすっかり心をよくして躍っていた。
「それにしてもよくお許しが出たよな」
「許しもなにも強引に出てきたからな」
「ミストは?」
「ボーレに押し付けてきた
あいつがいるから俺も安心して傭兵団を空けることが出来た…
団もティアマトがいるから大丈夫だろう」
ふーん ライは思わぬ展開だなと興味深げにアイクの話に耳をたてた。
「ボーレとミストがね〜」
「ボーレとミストは一緒になるだろう」
アイクはそれが自然だろうなとつぶやいた、もうずっと前からわかっていたような気がする。
俺が傍に居れない時にボーレはずっとミストと一緒に居てくれた。
肩の荷が下りたような気持ちだ、ただミストには非難されて当然だ…
俺は永遠にあいつの兄なのだからな。

「ん〜安心と複雑さがないまぜって感じ?」
「まあそんな感じだ」

アイクが傭兵団に未練を残すのは仕方がない、
グレイル殿から受け継いだこの男の大事な居場所だから。

「まあ飲みねぇ飲みねぇ」
ライはにかっと笑うと杯にラム酒をついでアイクにすすめた。
自分の杯を高くあげて
「俺達の旅のはじまりに」

アイクも笑みをうかべて杯をあげる
「旅のはじまりに」

「かんぱ〜い!!!」

喉をぐびぐびと鳴らして杯を飲み干す
ぷはぁと息を吐きライは手の甲で口をぬぐった。


『お兄ちゃん 何故、皆一緒じゃ駄目なの
どうして どうしてライさんだけなの』
『すまんな』

『わからないよ その旅に何の意味があるのか
どうして行かなきゃいけないの』

『何でそんなにライさんが大切なの』

ミストに何も言い返せなかった、責められても仕方がない。
ライに話してはないが傭兵団を抜け出すのは本当は大変だった。

(セネリオ…)
セネリオは大丈夫なのだろうか
どうしてあいつは俺と一緒に来なくても平気だったんだ。

「お〜い アイク 大丈夫か」
「ああっすまん」

「あのさ〜」
「?」
「いや…いい」
ライはあわてて頭をかいた、一つだけ気になって仕方がないことがある。
あの男、アイクだけを見ていたあの目をした
あいつ セネリオのことをだ。

「これからよろしくな アイク」
アイクはライの顔を見ていたら細かい事を考えても仕方がないかと気持ちが楽になってきた。
「ああよろしくな」

差し伸べられた手にアイクも大きくごつい手を出したが
その行き先はライの手ではなくゆらゆら揺れていた尻尾の方だった。
「にゃわぁぁわぁわわわ!!!!!」
ぎゅむっと握られた瞬間、ライの体はぞわぞわっと震え上がった。

「アイク てめぇ〜!!!」
「ははっ すまんすまん」


アイクとライがふざけあってじゃれているその姿を
そっと見守っている姿があった。

しかしそれは一つだけではない…
その二つはお互い気づきもせずに
アイクを見ていた… ただアイクを見ていた。






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