それからの彼ら

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ライ サイド


アイク…俺達はさ こんな風にしか生きられねぇみたいだな
争いや混沌の中が居場所なら
俺達、ここにいちゃいけないかもな
なあ アイク

いっそここじゃない どこかに行かないか

どこか遠くへさ

「何であんなこと 言っちまったんだろうねー」
ライはひとりごちた。
荷物はたった一つだけ 身軽なもんだ。
置いてきたものはたくさん、国放り出して責任放り出して
一人の英雄をもう長い時間待っている。
俺何やっているんだか
ここであいつを待ってても来てくれるわけない
あの男にだって捨てられないものがあるだろう。
ここに来て俺なんかと一緒に旅立って、何も得られないかもしれないかもしれないだろ。

でもさ、あきらめずにずっと待っているのは
お前が約束してくれたからだよ

『いいぞ、俺も同じことを考えていたからな』

馬鹿な事と言われたら、冗談だってごまかそうと思ってたんだよ
お前から返ってきた言葉 OKの返事だった。


いまだ信じらねぇ 本当 マジか
嘘じゃないだろ
俺と一緒にって お前一緒に行くって言ったか
あんなに誰もが欲しくてやまない、誰もが追いかけている
誰もが切望している お前の隣が
俺のものに 俺のものになるってぇのか

先のアスタルテとの戦い、俺は罪の意識にさいなまされていた。
ラグズとして戦闘の本能と己の在り方に…
ん…違うもっと別のことだ
俺は本当は最初はあの戦いを止めようと思っていたから
悪戯にメダリオンを刺激しねぇほうがいいって
もっと別の解決法があるということ心の奥底で気づいていた。

最初に砦を訪れた目的はあいつに止めろと言って欲しかったからだ
アイクの顔を見ちまえばこの愚かな計画に進言する力が沸いてくると思った。
逸る心で俺は傭兵団の元へと急いだけど
家の中はいつも人気がなくってさ、誰もいなくって、
あきらめて俺は戻るしかなかった。
その時、俺の中で何かが積もったような気がした…

二度目に傭兵団の砦に訪れた時はヨファが一人で弓の練習をしていたな。
俺の顔を見たら困ったようなそぶりで言った。
『誰もいないよ』
アイクに会えなくて俺は渋々帰った。

3度4度め アイクのいない傭兵団の砦で一人で待ちながら
空を仰ぎながら息を吐いた。
アイク お前にさ 早く会いたくてさ
「馬鹿だな」と俺達を諌めてほしかったんだ、あの時は

何度めかにお前が居なかった時、俺は悟っちまった。
俺があいつの傍に居れる瞬間はきっと血の流れる場所なんだろうなって
それならさ・・・戦う場所があればいいじゃねぇかって
戦場では俺達は背中越しだ、こんなに遠いところじゃない
何故ここまで俺はアイクを渇望しているのか
わかんないぜ、どうしてこんなに気になっちまうんだ?

ラグズの戦いにベオクのお前を引っ張りこむなんて俺は馬鹿だよな
久しぶりに会えて話が出来て
ああやっぱりこいつと俺を繋ぐ場所って
戦場しかないのかって寂しかった。
いや…… すげぇ 嬉しかった。

「アイク、お前 来るのか」
すべてを捨てちまえるのか なあ

んなわけねぇか〜
ぷっ 俺は自嘲気味に笑う。
頭の中を妹のミストやティアマトや傭兵団の奴らが駆け巡る
そしていつも俺を見るセネリオの目
あの男、セネリオがアイクを放すわけないだろ。

でも遠くまで見渡すことが出来る俺の良すぎる目が
近づいてくるあいつを映し出していた。
目を見開き、アイクの姿をじぃっと捕らえる。

「はは…っ」
どんどん寄ってくるあいつの姿
「本当に来ちまった」
俺の目の前まで来ると何ていう顔しているんだと不思議そうに
首をかしげた。
「俺が遅れたのを怒っているのか」
「いや…違うって 」
「じゃあ何だ」

俺は苦笑してアイクの顔を見上げた。
「俺もお前も馬鹿だなと思ってさ」
「?」
本当に大馬鹿だよ俺達は…色んなもの捨てちまって
これからどこ行くんだよ
行き先さへ決まっても居ないんだぜ

「でっどうするよ」
「うーん 女神の機嫌を損ねない場所に行ってみるか」
どこだよ 俺は愉快になって笑いながら奴に聞いてみた。
「適当に砂漠でも越えてみるか」

「適当だねぇ」
「油断したら俺達も野たれ死にするかもしれんがな」
「ん〜 いざとなったら背中に乗っけてやるよ」

アイクの背中をばしっと叩くと俺は言った。
「出発だ」
「ああ」
あいつが微かに笑みを浮かべた、戦場では見せることがない
その微笑みに俺はドキリとした。


アイク…この旅のつづきで俺はこの気持ちの
本当の意味に気づくのか
そいつがちょっと怖いんだ

歩き出した俺達の後ろを何かが追ってくるなんて
その時の俺には気づきもしなかった。
気配を察知することが得意の俺の目を交わすとは
さすがだな ほんと
小さな軍師様は

その話はまた次のターンに


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