それからの彼ら

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アイク×ライ アイク←セネリオなどBLになってます
苦手な方はバックしてくださいませ




男二人の旅道中は続く…
この世界にはまだ見ぬ世界がたくさんある、それをこの目で確かめよう
アイクとライはまず狼女王ニケを訪ねることに決めた、
死の砂漠を乗り越えた先にあるハタリ…まだ見ぬ大地
あてのない旅でも目標があった方がいいだろう、
彼女の連れ合いのラフィエルにも改めて礼を言いたかった。
「正直、ニケと本気でやりあったら勝てる自信はなかった」
「あはは!本当か〜あの女王、怒らせると怖いからな
俺も勝てる気がしないなー」

狼のラグズと鷺の民の夫婦、生まれも育ちも違うが
この二人の絆に及ぶものはいない
(ユンヌも愛を知りたいなら、俺よりあの二人に聞くほうがずっといいだろうに)

種族が違う、ベオクとラグズだからとか
男と女じゃないからとか
動いた気持ちを止める術はあるのだろうか 
しかしユンヌは言った。
私はそのような事を止めた覚えはないと、人は自由なのだからと

俺は…どうなんだ 今まで人を愛したことがあるのか
ミスト…違う 愛といっても家族という親愛の情だ。
セネリオ…これも愛というより もっと大きい繋がりを感じる

「どうした?アイク」
ライが振り返って不思議そうにこちらを見ている。
「置いてくぞ」
ライが俺を見て笑いかける。
愛かどうかわからんが…今、必要としているのはこいつなんだ。
もしライをあの戦いで失っていたとしたら
俺は どうした? 
女神アスタルテを許せたのか
アイクは胸の奥がずきりとうずくのを感じた。

(愛を教えてほしいのはこっちのほうだ)

「どうしたんだよ〜置いてっちまうぞ」
ライがアイクの肩に手を置いた、普段からある何気ない行動だが
考えていた事が事だけに思わず驚いて顔をあげた。
「何でも…ない」
「ふーん」

日が暮れそうになる頃、筒の水を交互に飲み干しながらアイクとライは
地平線に沈む夕日を見ていた。
「正直、旅に出て助かった所あるんだよ
ガリアに戻ってからもずっと引っかかっていたから
先の戦いで俺は間違いばかり踏んだなって」
「しかしそれは故意に導かれてたってわけだ」
「そりゃそうだけど、もうすこしさ道を正す方法もあったんじゃないかって
思うんだよな」
ライは胡坐をかいて頭をかいた。
「面白いほどあいつらの手の平で踊らされちゃったわけで悔しいよな」

終わり良ければすべて良し 今、世界は平和に満たされている、だが…
「あんな形でお前を表舞台に引きずり出しちまってごめんな
傭兵団にはラグズ連合の戦いは関係なかったっていうのにさ」
ベオクのアイクがラグズのためにベオクを討つことを強いてしまった、
デイン戦の時、もしもこいつがサザを手にかけてしまっていたらと思うとぞっとする。

「ライ」
「アイクお前はベオクなのにさ」


「ユンヌも言っていただろう
どうして区別をつけたがるのかと俺達は何も違わない
それにあの時は…」
アイクの言葉にライの耳がぴんと立つ、次の言葉を待つように
言わないわけにはいかないか、それでライの罪の意識が薄れるならアイクは苦笑した。

「ライが俺を傭兵団を頼ってくれて嬉しかった、
お前がガリアの事、スクリミルの事で苦労しているのを何とかしてやりたかった、
一人で抱え込んでいるのが気になって武力で何とかしてやりたかった」

ライの瞳孔が開きアイクをじっと見る、
赤面を隠すためアイクはたまらず目を逸らした。

「私情に走ったのは俺自身だったわけだ」
かなりワンマンな団長だろう、アイクはふっと笑った。

(俺のため 俺のためか…)
ライは興奮のためか思わず猫へと化身してしまった、驚くアイクにそのままガバッと抱きつく
「ありがとな、すげぇ嬉しい〜!!」
巨体を受け止めきれずに押し倒された形になったアイクが苦しさに慌てて叫ぶ。
「おいライ! 化身してるぞ!」

やっぱりこいつは他のやつとは違う、違うんだ
俺にとって特別な存在なんだよ、

気持ちが抑えきれねぇ
駄目だとはわかっていても 

ライの化身がみるみる溶けていく… 
ライとアイクはお互いの視線を外すことが出来ずに
互いに同時、心の中で思った
(やばい)と


『助けて!!』
均衡を破るかのように響き渡った悲鳴にアイクとライは身を起こした。

アイクとライが声の方向に反応すると、こちらに向かって
一人の髪の長い女が走ってきた。
一頭の正気を失った虎のラグズに追われているようで
息をきらせて必死に走っている。

「ライ!」
アイクの掛け声と共にライが体をしならせ猫へと化身し
暴走する虎へと向かっていく。

虎と対峙しながらライは心の底で安堵のためいきをついた。


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